ゲームや3DCGについて調べていると「Unity」という言葉を時々目にします。
「ゲームを作るための何か、と言うことはなんとなく分かるけど、詳しくは知らない。」
という認識の方もいるんじゃないでしょうか?
今回は「Unity」とはなんなのか?ざっくり説明したいと思います。
Unityとは「ゲームエンジン」 = ゲームを作るためのソフト
まずUnityは「ユニティ」と読みます。
「ウニティ」じゃないのでお間違いなく。(誰も間違わないか…)
Unityとは何かを一言で言うと「ゲームエンジン」であり、「統合開発環境」でもあります。
ユニティ・テクノロジーズによって開発されていて、2005年頃から存在します。
といっても、そもそも「ゲームエンジン」って何?って感じですよね。
ゲームを動かすためのプログラムかなんかでしょうか。
どうもイメージしにくいです。
簡単に言うとUnityとは「ゲームを作るためのソフト」と言ったところ。
Unityというソフト上で自分のゲームを作っていく感じです。
Wordというワープロソフトでで文書を作成するのと同じです。
まあ、だいぶ違いますけど。
Unityなどのゲームエンジンを使うと、ゲームキャラクターの当たり判定や物理演算、操作に対して移動させたりエフェクトをかけたり、と言ったことが簡単に実現できます。
もしUnityを使わず、全部自分でゲームを作ろうとするとどうなると思いますか?
キャラクターを画面上に表示させるだけでも、相当な量のプログラミングをしないといけなくなります。
そういう作り方も、プログラミングの勉強になったりして良いとは思いますが、普通の人は挫折してしまいます。
ゲームを作る最短ルートを歩みたいなら、Unityを使わない手はないですよね。
大手ゲームメーカの商用利用から、個人の趣味のゲーム開発まで対応
ゲームエンジンなんて、企業が製品としてゲームを開発するときに利用するもので、個人でゲームを作りたい人には関係ない、なんて思ってないでしょうか?
でもそんな事はありません!
もちろん大手のゲームメーカーがUnityを利用して商用ゲームを作っている例はたくさんあります。
でもそれ以上に、Unityを利用して個人でゲームを開発していると言う人が大量に存在します。
なんといってもUnityを利用すれば簡単にゲームが作れてしまうので、ゲーム開発のハードルが大幅に下がったと言えます。
今までは、かなり高度なプログラミングができないとゲームなんて作れませんでした。
これは大きなブレイクスルーです。
Unityは、ゲーム開発の時代を変えたと言っても過言ではありません。
Unityの利用料金は?無料で使える?
個人でも手軽に使えるのにびっくりするくらい高機能なUnityですが、「どうせお高いんでしょ?」って思いますよね。
ところが、無料で使えるんですよ。無料で。
その昔(四半世紀以上前!)、スーパーファミコンで「デザエモン」というシューティングゲームを作れるゲーム(ツール?)がありました。
自機や敵キャラのドット絵を自分で描いて、敵の出現位置、動きなんかを決めることでオリジナルシューティングが作れるんですが、当時小学生だか中学生だった私は「自分でゲームを作れるなんて!」と驚き熱中したものです。(どんなのを作ったか全然覚えてませんが…)
そのスーファミ版デザエモンの定価は13,545円。
高!
今ならamazonで中古をお安く買えますが、今はもういらないですね。
だって、はるかに高機能なUnityが無料で使えるから!
とはいえ、無料で無制限で使えるわけではありません。
表にまとめるとこんな感じ。
エディション | Personal | Plus | Pro |
---|---|---|---|
月額 | 無料! | 3,000円 | 15,000円 |
対象者 | 収益が10万ドル(約1000万円)未満 | 収益が20万ドル(約2000万円)未満 | 収益による制限なし |
機能制限 | 起動時にUnityロゴが表示される | なし | なし |
個人でUnityによるゲーム制作を行う場合、だいたいの人は無料のPersonalが使えるかなという感じです。
Unity公式サイトによると下記の場合にPersonalの利用資格があると書かれています。
- ご自身または所属する会社の年間収益、もしくは資金調達が 10 万米ドル以下の場合」
この「年間収益」というのはUnityで作ったゲームによる収益だけじゃなくて、他での稼ぎもひっくるめたものなんですかね?
だとすると、他の仕事でそこそこ稼いでいる人は個人でもPlusなりProなりを契約する必要があります。
企業だと、よほど小さな会社やスタートアップで収益が少ないとこじゃないかぎり、Pro以外の選択肢はなさそうです。
Unityの料金は月額払いのサブスクリプションと言う形になっています。
昔は買い切りのソフトが多かったですが、最近こういう料金体系の有料ソフトが増えていますね。
マイクロソフトのオフィス、Adobeのフォトショップやイラストレーター、業務用のCADなど。
常に最新バージョンを使えるなどのメリットはありますが、使う限り払い続けないといけないので、好き嫌いは分かれるところかと思います。
もう一度言いますが、個人ならほぼ無料でゲーム開発を始められます。
他に必須なのは、Unityを動かせるPCくらいですね。
すごい時代になったものです。
どんな環境で使える?
Unityはマルチプラットフォーム対応です。
具体的にどんな環境、つまりどの種類のPCで使えるかというと、
- Windows 7(SP1以降)、8、10(64ビットのみ)
- Mac OS X 10.9以降
で使用可能です。
必要なPCのスペックは下記を参照ください。
でもこれじゃほとんど分からないですね。
複雑なゲームを作ろうとすると、それだけハイスペックなPCが必要になるってことみたいです。
よほど古くてロースペックなPCじゃない限り、とりあえずは動くと思います。
WindowsとMacで使えればほとんどの人は困らないと思いますが、Linuxでも使えるようです。
Linux版のダウンロードはこちら
https://forum.unity.com/threads/unity-on-linux-release-notes-and-known-issues.350256/
最終ページの一番下が最新版っぽいです。
どんなゲームが作れる?スマホ向けアプリやPC向け、家庭用ゲームまで!
Unityでどんなゲームが作れるかというと3Dゲーム、2Dゲームどちらも作れます。
ゲームのジャンル的にも、アクション、シューティング、レース、シミュレーション、RPG等ジャンルを問わずあらゆるものを作ることができます。
作ったゲームはマルチプラットフォームに対応していて、スマホ、PC、家庭用ゲーム機とほとんどの環境でプレイできます。
- PC
- Windows
- Mac
- Linux
- スマホ
- android
- iOs (iPhone, iPad)
- 家庭用ゲーム機
- PS4
- PSVITA
- XBOX
- ニンテンドー スイッチ
- ニンテンドー 3DS
個人で家庭用ゲーム機向けを作るのは難しいと思いますが、スマホ向けなら簡単です。
しかも、ほとんど手間なくandroid向けもiPhone向けのゲームも両方作ることができ、開発の手間が大幅に削減できます。
両方リリースしたい人にとっては、本当に便利ですよね。
基本的な物理演算が内蔵されているので、重力にしたがって物体が落ちたり、物と物が接触したりの処理はすごく簡単に実装できます。
さらに、ゲーム世界への没入感を楽しめるVR(仮想現実)や、現実の映像にCGを重ねて表示するAR(拡張現実)にも対応。
VR/ARの分野はこれからどんどん伸びていくでしょうから、今から勉強しといても損はないかもしれませんね。
Unityの採用例 どんなゲームで使われてるの?
では実際にどんなゲームがUnityで作られているのでしょうか。
特に有名なのは下記のようなタイトル。
- 白猫プロジェクト
- Pokemon GO
- スーパーマリオラン
- ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
どれも超有名なゲームですよね。
それに、お気づきでしょうか?
この4つは全てスマホ向けのゲームです。
Unityは特にスマホ向けゲームで多く使われているようです。
androidやiOSのアプリストアにはUnityによる個人制作のゲームが溢れかえっています。
Unityの無料版で作ったゲームは、起動時にUnityのロゴ(スプラッシュスクリーン)が表示されるので、見かけたことがあるのではないでしょうか?
でも、スマホ向けのライトなゲームしか作れないってわけではなく、もちろん家庭用ゲーム機、PC向けゲーム機のハイクオリティなグラフィックを駆使したものも作ることができます。(上で紹介したタイトルはもはや「ライトなゲーム」ではないですが)
ドラクエVIIIはPS2からの移植ですが、android, iPhone両方が同時に作れるメリットだったり、開発速度を上げるためにUnityが採用されたんだとか。
医療に建築、ゲーム以外にも活用分野が広がっている
Unityの利用範囲はゲームだけにとどまりません。
医療分野でのトレーニング、建物の完成状態のシミュレーションにVRを利用するなど建築分野へも広がっています。
ゲームとは、操作に対して何らかの反応があるという構造です。
つまり、Unityはゲームにとどまらず、インタラクティブなコンテンツを作成できるソフトウェアであると言えます。
こう考えると、あらゆる分野へUnityを応用できるというのが容易に想像できますよね。
コンテンツを手早く簡単に作成できるUnityの強みを最大限に発揮しています。
また、Unityを使ってツール的なものを作ることもできます。
Unityはボタンや文字の表示を行うUI類も充実していて、例えば電卓などのツールも製作可能。
とはいえ、プログラムをガリガリ書いて作る方法と比べると、Unity製ツールは動作が重くなりがちです。
むやみにUnityを使えばいいってわけではないですが、機能的には作れますよってことで。
素材が無料で入手できるAsset Store(アセットストア)が便利
個人が一人でゲームを作るときにまずぶち当たるのが、グラフィック(絵)や3D素材が作れない!って問題。
こういうときにぜひ利用したいのが「Asset Store(アセットストア)」です。
Unityのソフト上からAsset Storeにアクセスして、3D素材や2D素材、ゲーム開発に有用なツール、音声などを入手することができます。
Storeっていうくらいなので基本的には有料ですが、無料でもクオリティの高い素材がいくつか提供されています。
無料の素材ばっかり使うと、他のゲームと似通ったものになっちゃったりしますが、最初は無料素材を利用してサクッと作ってしまうのは大いにありだと思います。
Unity上からアクセスしたらダウンロード、インポートを一貫して行えるので便利ですが、WebでもAsset Storeにアクセスできます。
Asset Storeはこちら↓
Unityとは?まとめ
Unityとは、ゲームやインタラクティブなコンテンツを作ることが出来る万能なソフトです。
ざっくりメリットとデメリットをまとめるとこんな感じ
メリット
- 誰でも簡単にゲームが作れる
- 物理演算、サウンドの処理が簡単
- 少ないプログラミング量で制作可能
- 開発速度の加速
- 複数プラットフォーム向けゲームを同時に開発
- 2D、3D両対応
- 使っている人が多い
- 情報量が多い = わからないことがあっても解決しやすい
- Asset Storeが便利
デメリット
- 各OSの突っ込んだ機能を使おうとすると限界がある
- 作ったゲームのサイズが大きくなる
デメリットもそんなに問題になるようなものはなく、メリットのほうが遥かに上回ります。
さあ、Unity使いましょう!
ダウンロードはこちらからできます↓
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